肛門が痛い
(おしりの穴が痛い)、
腫れている
肛門の痛み・腫れは、座ったり歩いたり、運動をする時にも気になる不快な症状です。
まず疑われるのが痔ですが、それ以外にもいくつかの病気を念頭に診療しなければなりません。稀に大腸がんの症状として肛門の痛みが出ることもあるため、気づいた時にはお早めにご相談ください。
このような症状で
お悩みではありませんか?
- 肛門に痛みがある、腫れている
- 出血、血便がある
- 痛みや出血が治っては再発するのを繰り返す
- 腫れから、膿が出ている
- 便秘、下痢、腹痛などの症状がある
- 痛みが強くて眠れない、仕事に支障が出ている
- いぼ、できもののようなものがある
1つでも当てはまる場合には、当院にご相談ください。
肛門が痛い、腫れている
原因は?考えられる病気
肛門が痛むけれど腫れはない場合、肛門が痛み腫れている場合に分けて、考えられる病気をご紹介します。
痛みはあるが腫れていない場合
切れ痔(裂肛)
便秘に伴う硬い便、繰り返しの下痢などによって、肛門が切れてしまう病気です。
排便時の痛み、少量の出血などの症状が見られます。
肛門周囲膿皮症
アポクリン汗腺炎、毛嚢炎、炎症性粉瘤などの炎症が悪化し、肛門まわりのかゆみや痛み、皮膚の肥厚・変色などの症状を引き起こします。小さな穴があき、膿が出ることもあります。
ごく稀ではありますが、がん化することがあります。
肛門(周囲)ヘルペス
主に性行為によって単純ヘルペスウイルスに感染し、免疫力が低下した時に発症します。
肛門の痛みやかゆみ、水ぶくれ、びらん、出血、下痢、便秘といった症状を伴います。
特発性肛門痛
突然、肛門の奥が締め付けられるように痛みます。
肛門括約筋の過剰な収縮が主な原因と言われています。
大腸がん
飲酒や喫煙、肥満、加工肉・赤身肉の摂り過ぎなどを原因として発症する大腸のがんです。
症状に乏しく、ある程度進行してから、便秘や下痢及び肛門の痛み、血便、腹痛、体重減少などが見られるようになります。
痛みも腫れもある場合
血栓性外痔核
血栓を伴う外痔核(肛門の皮膚側にできるいぼ痔)です。この場合の血栓とは、いわゆる血豆のことを指します。
腫れや出血といった症状が見られ、大きくなってからは痛みを伴います。
いぼ痔(痔核)
硬い便や便秘、立ちっぱなし・座りっぱなし、繰り返す下痢などを原因として、肛門の皮膚や粘膜にいぼができる病気です。
排便時の肛門の痛み、腫れ、出血といった症状が見られます。
内痔核嵌頓
肛門の内側にできるいぼ痔(内痔核)のうち、肛門の外へと脱出し、さらに肛門によって締め付けられることでうっ血しているものを指します。
ひどい腫れ、激しい痛みを伴います。また痔核が傷つくと、出血します。
肛門周囲膿瘍
肛門の内側すぐには、肛門陰窩というくぼみがあります。ここから細菌が入り込むことで発症するのが、肛門周囲膿瘍です。
肛門周囲の腫れ(膿が溜まっています)、痛み、発熱などの症状が見られます。放置していると、あな痔(痔ろう)へと進行します。
あな痔(痔ろう)
肛門周囲膿瘍の膿瘍が皮下組織へと拡大し、お尻の皮膚側につながるトンネルが形成される病気です。
肛門周囲の腫れと痛みが代表的な症状です。またトンネルからは、膿が出てきます。治療では手術が必要になります。
粉瘤
皮膚の内側で袋状の組織が形成され、そこに角質・皮脂がたまることで膨らみます。皮膚上であればどこにでも発生しうるものですが、お尻は好発部位です。潰してしまうときれいに治りにくくなるため、早めに皮膚科・形成外科を受診しましょう。
炎症を伴う場合は炎症性粉瘤となり、肛門周囲膿皮症へと進行することがあります。
クローン病
炎症性腸疾患の1つです。口~肛門の消化管で炎症が起こります。特に頻度が高いのは小腸・大腸で、その場合は腹痛や下痢、血便といった症状が見られます。
肛門が痛い、腫れている
場合には肛門科に
ご相談ください
肛門の痛み、腫れには、痔だけでなくさまざまな病気と関連が認められます。また痔であった場合も、もちろん放置していいわけではありません。
当院では、消化器内科・肛門科の両科から病気の診断を行うことができます。肛門の痛み・腫れがある場合には、お早めに当院にご相談ください。