胃がん・食道がん

胃がんについて

胃がんについて
誰もが知る通り、胃がんは命を落とすことのある病気です。一方で初期症状に乏しいことから、症状に気づいてから受診するとかなり進行している、ということがあります。
もし以下のような症状がすでに現れている場合には、お早めに当院にご相談ください。

胃がんの前兆・初期症状

胃がんの前兆・初期症状
主に、以下のような前兆・初期症状が見られます。

胃やみぞおちの痛み

胃やみぞおち(腹部中央の上部のくぼみ)の痛みが見られます。

吐き気・食欲不振

慢性的・繰り返される吐き気、食欲不振にも注意が必要です。

体重減少

不快な症状から食べる量が減ること、がん細胞は正常な細胞より多くのエネルギーを消費することから、体重が減少します。

黒色便

がんから出血している場合には、黒色便が出ることがあります。排泄されるまでの時間が長いことから、血液が酸化して黒くなります。タール便とも呼ばれます。

飲み込みづらさ

胃の上部にがんが生じた時には、食べ物の飲み込みづらさを感じることがあります。

胃がんの原因

ピロリ菌感染、塩分の摂り過ぎ、喫煙、野菜・果物不足などを主な原因とします。
中でも大きな原因となるのが、ピロリ菌感染です。胃がん患者のほとんど(90%以上)に、ピロリ菌感染歴が認められます。

胃がん検査

症状、服用中の薬、既往歴などをお伺いした上で、胃カメラ検査を行います。胃カメラ検査であれば、バリウム検査では難しい早期の胃がんの発見が可能です。
疑わしい病変が見つかった場合には、組織を採取し(生検)、病理検査を行います。

胃がんの治療

初期であれば、内視鏡的治療の適応となります。進行している場合、開腹または腹腔鏡下での手術を行います。
手術の前後に化学療法を行うこともあります。

食道がんについて

食道がんについて
喫煙と飲酒を主な原因とする、食道のがんです。
食道の近くには気管支、肺、大動脈、リンパなどがあるため、浸潤・転移が起こりやすいがんとも言えます。

食道がんの前兆・初期症状

食道がんも、初期症状に乏しいがんです。以下のような症状がすでに現れている場合には、当院にご相談ください。

  • のどの痛み、違和感
  • 飲み込みづらさ
  • 声枯れ
  • 胸や背中の痛み
  • 体重減少

食道がんの原因

食道がんの原因
喫煙、飲酒を主な原因とします。中でも、お酒を飲んですぐに顔が赤くなる人は、発がん物質であるアセトアルデヒドを分解する力が弱く、お酒を飲むことで食道がんのリスクが高くなります。また、喫煙歴・飲酒歴の長い人、喫煙と飲酒の両方の習慣がある人も同様に、食道がんのリスクが高くなります。

食道がんの検査

症状や服用中の薬、既往歴などをお尋ねした上で、胃カメラ検査を行います。バリウム検査と比べて、初期の食道がんも発見しやすくなります。
疑わしい病変が見つかった場合には、生検・病理検査を行います。
大阪住之江おおくぼ消化器・内視鏡クリニックの胃カメラ検査は、内視鏡専門医が担当します。苦痛を最小限に抑えた検査を行いますので、安心してご相談ください。

食道がんの治療

早期であれば、内視鏡的治療の適応となります。進行している場合には、手術、抗がん剤治療などが行われます。

胃がん・食道がんについてよくある質問

胃がんについて

初期の胃がんには、まったく症状が現れないのでしょうか?

現れることもありますが、全く現れないことがほとんどです。
また現れた場合にも、比較的身近な症状であるため、なんとなく放置してしまう方が多いようです。
胃カメラ検査であれば、症状の有無に関係なく、胃がんを早期発見することが可能です。

胃がんのステージについて知りたいです。

がんが胃粘膜の表面にある段階である1期から始まり、がんの深達度、リンパ節への転移の有無と数、遠隔臓器への転移の有無などから、4期までに分類されます。

スキルス胃がんになった場合、治りませんか?

スキルス胃がんは早期発見と治療が難しいがんとして知られていますが、早期であれば完治は期待できます。
なお、スキルス胃がんは通常の胃がんと異なり、生検検査でも診断が難しいことがあります。その場合は、複数回の生検診断を行うことや他の検査を行うことがあります。

胃がんを予防する方法はありますか?

胃がんのリスクを下げることが大切です。
第一に、ピロリ菌検査と陽性だった場合は除菌治療をおすすめします。
その他、塩分を摂り過ぎない、禁煙をする、お酒はほどほどにする(できれば禁酒)ことも、胃がんのリスクを下げるのに役立ちます。

食道がんについて

食道がんの予後を教えてください。

ステージごとに、予後が異なります。
5年生存率を見ると、0期で約90%、1期で約75%、2期で約60%、3期で約40%、4期で約10%となっています。言うまでもありませんが、症状のない初期に発見することが重要になります。

食道がんになりやすいのは、どんな人ですか?

飲酒・喫煙の両方の習慣のある人、飲酒・喫煙歴の長い人、飲酒をするとすぐに顔が赤くなる人
(発がん物質のアセトアルデヒドを分解する力が弱い人)は、そうでない人と比べると食道がんのリスクが高くなります。
また、主に慢性的な逆流性食道炎を原因として起こるバレット食道は、バレット腺がんという食道がんのリスクを高めます。
バレット腺癌は近年日本でも増えてきており、逆流性食道炎の既往のある方は注意が必要です。

食道がんを予防することはできますか?

100%の予防はできません。禁酒・禁煙することで、リスクを減らすようにしましょう。
また、肥満の解消などによって逆流性食道炎やバレット食道を予防すること、適切な治療を受けることで食道がんのリスクの低減につながります。